宇宙の起源

エデンの園に見られるニンギシュジッダのシンボル

 

生命の樹は知恵の樹とも言われ、旧約聖書の創世記にエデンの園の中央に植えられた木。エデンの園とは、エディン(メソポタミア)の果樹園。

旧約聖書の創世記で、神ヤハウェ(エロヒム)は知恵の樹の実だけは食べることを禁じていた(禁断の果実)。しかし蛇にすすめられ、初めにイヴが、次にイヴの勧めでアダムが知恵の樹の実を食べた。するとアダムとイヴは善悪の知識を得て裸の姿が恥ずかしくなり、イチジクの葉で陰部を隠した。

1匹の蛇はニンギシュジッダのシンボルだった。そしてアダムとティ・アマト(イヴ)に、男女を分ける染色体を移植したのはニンギシュジッダ。つまり知恵、知識を与えた蛇とはニンギシュジッダのこと。2人をエディンからアブズへ追放したのはエンリルとなっているが、エンリルもニンギシュジッダという結論だったので、ヤハウェはニンギシュジッダということ。

この一匹の蛇が木に巻きつく姿は、ギリシャ神話の医神アスクレピオスが持つ杖としても表される。これも医療の神として移植手術を行ったニンギシュジッダのこと。またアイオーンも一匹の蛇が下半身から頭部にかけて巻きついている。これら全てがニンギシュジッダのシンボル。

この生命の樹が出てくる神秘主義思想のカバラを考えたのも、ニンギシュジッダということになる。また旧約聖書の創世記3章で、主なる神はアダムとエバを追放した後、命の木への道を守らせるためにエデンの園の東に回転する炎の剣とともにケルビムを置いたとされている。

た。ケルビムとは人間、獅子、牛、鷲(わし)の、4つの顔を持つ生き物。つまりここに出てくる動物は全てニンギシュジッダのシンボル。

アダムとイヴが陰部を隠したいちじくの葉も、樹木崇拝とつながる。ファラオ時代のエジプトでは、神々は東方の樹高を誇る聖なるエジプトイチジクの樹に王座をもっていた。反対に西方の砂漠の涯(はて)には、「エジプトイチジクの貴婦人」、牝牛(めうし)の女神ハトホルが王座についていた。この女神が太陽を含めこの世のすべてを創造した。ハトホルにも太陽、紀章ウラエウス、手の十字のアンク、ウアス杖、牛というニンギシュジッダのシンボルが見られ、同一神ということ。そのハトホルのシンボルがイチジクでもある。

『旧約聖書』の創世記(3章7節)に「エデンの園で禁断の果実を食べたアダムとイヴは、自分たちが裸であることに気づいて、いちじくの葉で作った腰ミノを身につけた」と記されている。


メソポタミアのエリドゥにはキスカヌの樹がそびえていた。バビロニアの賛歌は次のように語っている。「エリドゥに黒いキスカヌが生育した。聖なる地においてこそ、その樹は創造された。その輝きはきらめくラピス・ラズリの輝きである。それはアプスーの方へと枝をのばす。キスカヌは肥沃なるエリドゥにおけるエア神の周回廊であり、その住処はバウのための休息の地である」。エリドゥはエア神(エンキ)の聖なる都だった。キスカヌはメソポタミアの生命の樹の原型で、「創世記」でヤハウェがアダムを迎えるためにエデンにしつらえた園の中央に生い茂る樹の起源でもある。エンキもニンギシュジッダという結論だった。

結論をまとめると、ニンギシュジッダが人間を作り出したということ以外は、旧約聖書やシュメール神話のエデンの園とアダムとイヴの物語はニンギシュジッダのシンボルによる作り話という結論になる。

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参考文献
世界樹木神話 / ジャック・ブロス