9章 プラウトヴィレッジ事業

◯プラウトヴィレッジ

世界中の社会問題を全て解決する方法は、貨幣が存在しないプラウトヴィレッジを作ること。この直径4kmのプラウトヴィレッジに、社会問題全てを解決する方法が含まれている。

プラウトヴィレッジの事業は、持続可能な社会の構築とその普及活動を行う。持続可能な社会とは、自然の再生能力の範囲内で人間の日々の生活を行い、その中で資源の利用は最小限にとどめ、最小限にとどめた資源をさらに再利用するという、あくまで人間が自然環境の中に住まわしてもらっているという謙虚な姿勢で共生する社会を指す。

そのために、まずモデルとなる一つの街を作る。そこがお手本となることによって、各地域の構築支援を行っていくことになる。アジア、アフリカ、アメリカ、ヨーロッパなど、地域は違っても人間という単位で言えば、性質も生活に必要な物資も基本は同じであり、つまり一つの小さな街の成功は、世界中の地域で成功することの証明となる。

お金で成り立つ資本主義社会が不完全過ぎるものであることは、日々目にするニュースを見れば明らかとなっている。環境問題、社会的格差の問題、医師不足の問題、少子化問題、過疎化の問題、政治の問題、お金にまつわる人間関係の悪化、いじめの問題など、どこを見ても問題ばかりで、その根本にはお金という問題と人間のエゴに行き着く。それぞれの業界や組織の中で、様々な人物が日々問題解決に取り組んでいるが、人間はそろそろ気づく必要がある。それは、これだけあらゆる社会で問題が多発する根本的な原因は、お金で成り立つ社会システムと人間のエゴが問題だということ。お金を稼ぐために節度ある行動が薄れるという人間の行動パターンを生み出すこのお金の社会が人間のエゴと欲を大きくさせ、様々な問題を引き起こす原因となっている。

例えば、資本主義社会で大地震が起こり一つの街が潰れると、建物や住居を建て直すために莫大なお金が必要となり、その費用を支払えない個人もでてくる。さらにただ復興させるだけではなく、その後、お金が稼げる社会になるかどうかも考える必要が出てくるので、時間もお金も手間もかかって結局復興に時間がかかる。

拡張プラウト主義の社会では、建物や住居は地元の資源を使っているので材料費は無料で、それを建てるのも地元住民が手伝うので人件費もかからない。さらにお金がなくても社会が成り立っているので、復興後、お金が稼げる社会になるかどうかを考える必要もない。

現在の社会が破壊的で不調和な社会であることは、人間社会のどの部分を見ても明らか。ある国と国は利権をめぐって戦争で破壊し合い、企業は利益最大化のために有限である自然からの資源を浪費し、個人のレベルで見ても毎日たくさんのものを消費してゴミを生み出し、家庭からの廃水によって川や海を汚す原因となっている。お金で成り立つ社会であるこの資本主義社会の問題点を挙げればきりがないが、誰もが生まれた時からこういった問題ばかりの社会に生きていて、それが当たり前で、このお金の社会しか知らないわけなので、他の生き方があると考えることは難しいことでもある。

この事業は、プラウトヴィレッジで生活をし、そこで生まれる好循環の結果を外部へ発信し、それに賛同する人の和を拡げていく事が最も重要な流れとなる。

そして事業の一番の目的は世界中にプラウトヴィレッジを構築し、人間の内面と外面にアプローチした平和で自然と調和した拡張プラウト主義の世界を作り出すこと。そのために一般市民の賛同者を増やし、自分達の住む街が自給自足社会へ移行するよう行動を起こしてもらう。やがて賛同者が増えた市などから要請を受け、プラウトヴィレッジが自治体構築を支援していく。市民国民から支持されなくなった市や政府は機能しなくなるので、結果的に国は変わらざるを得なくなる。これは他国も同じであり、政府を変えるのではなく市民側から変わっていくことを促し、技術力のある日本が先頭に立って世界の人々の支援をしていく。


◯プラウトヴィレッジ運営・教育理念

【人間の内面に向けて】
瞑想、好奇心、適職、天職を通じて無心になり、心の平安を達成し、自我と人生の苦しみを克服。

【人間の外面に向けて】
全市民の過不足のない生活の保証。自然環境の保護。貨幣と戦争のない社会の維持。


◯事業内容

プラウトヴィレッジでは事業を、世界連邦設立までは大きく分けて3段階で進める。

第1段階 設計(ドームハウス、3Dプリンタ、生活品)
第2段階 自治体構築 (国内外)
第3段階 世界連邦設立

第2段階では自治体構築を行いたい団体がプラウトヴィレッジへやってきて、数日間で自治体構築方法を学んでいく。そのための体験クラスが用意されている。

この第2段階では、プラウトヴィレッジに共に住む賛同者を募集することや、日本にいる路上生活者にも希望する人には移住してもらう。日本の路上生活者は2014年の時点で約8000人ほどと計算されている。プラウトヴィレッジ一つで日本の路上生活者全員を救済することができる。

最後の第3段階では世界連邦を設立し、世界を一つの政府で統治する。自給自足社会が構築されていない地域へはその構築方法を提供し、世界の人々を自給自足社会でつなげていく。

①世界連邦の設立
②自治体と州の線引きを明確にする
③自治体同士と州同士の地下鉄の建設
④自治体構築の継続

※②〜④は繰り返し

⑤世界のすべての地域が自給自足社会となり、世界同時に武装解除を行う。


◯プラウトヴィレッジの立地条件

1つ目のプラウトヴィレッジ候補地 岡山県 吉備中央町周辺

現在四国の南からつづく南海トラフの巨大地震が懸念されているが、この地震が起こると東京、名古屋、大阪の三大都市が被害を受け、日本のあらゆる経済活動が停止する可能性がある。さらに津波によって沿岸部より5km〜10kmが浸水する可能性もある。この南海トラフの地震の特徴として一ヶ所だけの地震ではなく、それに連なる活断層の地震も引き起こす可能性があり、実際大阪には巨大地震がいつ起きてもおかしくない活断層が2つ存在している。また同時に富士山を含め火山の噴火も現実のものとして懸念されており、地震が噴火の引き金になるという意見もある。

こういったことを踏まえ1つ目のプラウトヴィレッジの建設候補地は、岡山県を第一候補として考える。また岡山県でも吉備中央町(きびちゅうおうちょう)周辺を第一優先で考える。

主な理由は、標高が約300m~700mあり、今後地震と噴火が起こることを考えると、地震と活火山の影響が少ない地域を選ぶ必要がある。また岡山空港へは30分、新幹線の岡山駅へは60分の位置にあり、アクセスが便利で、本州の中心に近いため車での支援活動も行いやすいなどがある。また冬には一定量の雪が積もるので、山間部に住むことが増える日本の平均的な生活を知ることができる。よって岡山県吉備中央町が、総合的にバランスの良い場所になる。さらに、次の条件を満たす場所を選定する必要がある。

•地震によって山崩れ、津波の被害のないところ
•冬には適度に雪が積もる場所(山間部に暮らす人々が増えるので、雪の生活を知る必要がある)
•再利用できる廃村があればそのまま利用する
•自然農が行える広い土地があるところ
•手つかずの自然環境があるところ
•そのまま飲める山水が流れているところ
•木材や鉱物など資源があるところ
•ハイキングコースなど観光資源がある所
•人口密度の高い場所から離れすぎていない所
•新幹線と空港からアクセスしやすい場所

岡山空港について
【定期便】
国内:東京(羽田)、札幌(新千歳)、沖縄(那覇) / 国際:ソウル、上海、台北、グアム

【アクセス】
岡山空港は、岡山市の中心部から車で約25分、倉敷から約35分、山陽自動車道の岡山インターチェンジから約10分

これらの条件と比較して、バランスを見ながら候補地を選ぶ。


◯プラウトヴィレッジで取り組む事業

戦争を失くす道

2008年のアメリカでの銃による殺人事件は9484件で、日本では11件だったが、アメリカの人口は日本の約2.4倍だった。武器があれば必然的に争いは起きる。これは国という単位でも同じであり、爆弾や戦闘機を持っていれば必ず戦争が行われる。核兵器など軍事力による抑止力というのは一時的な幻想であり、やがては戦争に巻き込まれる。世界のすべての国にプラウトヴィレッジが出来たときが武装解除のタイミングとなる。世界各地に広がったプラウトヴィレッジの市民が中心となって、各国同時に自治体の電気炉へ武器を焼き捨てる。


世界中の貧困問題とスラムを失くす

スラムとは、都市部で極貧層が居住する過密化した地区のことであり、世界中のほとんどの大都市にスラムがある。スラムの特徴として、ゴミが溢れ、高い失業率と貧困があり、このため犯罪や麻薬、アルコール依存症や自殺などが多発する傾向にある。こういった貧困層が生まれる原因は収入が少ないからであり、解決策はその地元にプラウトヴィレッジを作ること。貨幣社会ではこの問題を解決することはできない。


海に浮かぶゴミの回収

ゴミベルト

この画像の濃い青色は海で、小さな水色の粒がそれぞれペットボトルや、ビニール袋、その他様々な海洋ゴミの存在を表している。これらはゴミベルトと呼ばれている。プラスチックゴミは、海流の波や紫外線などの影響により、マイクロプラスチックと呼ばれる破片や粒子へ変化することが問題視されている。このプラスチックゴミは日本含め各国でゴミとして捨てられたもので、分解されないプラスチックが太平洋など海上に漂流し、それが微細なプラスチックゴミとなってプランクトンとともに魚に食べられ、その魚を人間が食べている。それらは人体に蓄積され、徐々にその影響が現れる。これが日々自分たちが無意識に使っているプラスチックの末路となっている。

これら海に浮かぶ莫大なゴミを回収する方法は、当時18歳の高校生だったボイヤン・スラットが発明している。プラスチックのほとんどは水面を浮遊しているため、海流によって運ばれてくるゴミを棒状の「浮き」で収集する。ゴミは自然とV字の中心部の塔に集まり格納される。これは網を利用していないため、海洋生物を傷つけない。

貨幣社会ではこういった大量のプラスチックゴミが常に海洋に流れている。解決策はこの「海洋ゴミ回収プロジェクト」と並行して貨幣が存在しないプラウトヴィレッジを広め、企業のプラスチック製造をなくすこと。ただ市民はこういった企業で働いて給与を得ているわけで、つまり市民が脱貨幣社会をしなければ、根本的に問題は無くならない。


ベーシックインカムと仮想通貨について

お金と人間の在り方には様々な議論がされている。例えば月10万円を全国民に無条件で支給するベーシックインカムや、全てのお金のやり取りをオンライン上で行う仮想通貨が議論されていて、メリットとデメリットが存在している。

この2つの在り方についての結論は、「ある特定の分野に関しては効果はあるが、 これらが社会問題の全てを解決する方法にはならない」ということ。

ベーシックインカムによって路上生活者は救済されるかもしれないが、環境破壊をなくすことはできない。仮想通貨も、それによってゴミ問題が解決されることはない。この2つの方法論は貨幣社会にとどまった考え方なので、問題はなくならない。あらゆる社会問題の根本は、お金の有無や損得に行き着く。お金の仕組みと人間のエゴが、世界中の社会問題の根源である。


終わりに

プラウトヴィレッジ構築のための資金援助が可能な方、もしくは団体がおられましたら、info@proutvillage.netまでご連絡ください。事業の初期段階では各技術者や専門家と、3Dプリンタ、生活品、ドームハウス、インフラの設計と開発を行うことになります。


【拡張プラウト主義】
Kubota Hiloyuki (著) www.kubotahiloyuki.com